【My “TIMELESS” Vol.1】エシカルコーディネーター・エバンズ亜莉沙さん

【My “TIMELESS” Vol.1】エシカルコーディネーター・エバンズ亜莉沙さん

環境に配慮したライフスタイルを送りながら、ファッションを楽しむ素敵な女性達にフォーカスし、サステナブルなライフスタイルやmi lunaのジュエリーについてインタビューする企画、My “TIMELESS”の第一弾!今回は、エシカルコーディネーターとして活躍されているエバンズ亜莉沙さんにお話をお伺いしました!

エバンズ亜莉沙さんってどんな人?

笑顔のエバンズ亜莉沙さん

「人と地球に優しいライフスタイル」をテーマに、衣食住に関わるさまざまな活動に取り組む、エシカルコーディネーター。イベントのディレクションやPOP UPの主催、サステナビリティに関する記事の連載など、幅広く活躍されています。

エシカルな活動を通して人と人をつなぐエシカルコーディネーター

芝生の上を走るエバンズ亜莉沙さん

「倫理的な」と直訳される「エシカル」。「持続可能な」という意味の「サステナブル」などとともに注目を集めている言葉で、人や環境に配慮したモノ・コト、考えという意味合いで使われることが増えています。

エシカルコーディネーターにはどのような意味が込められているのですか?

「エシカルコーディネーター」は、私が考えて名乗っている肩書きなんです。20歳の時にエシカルという言葉に出会い、この考えを世の中に広める活動をスタートさせました。その際、自分にも肩書があった方が伝えやすいのではないかと思い、いろいろ考えて辿り着いたのが「エシカルコーディネーター」でした。

「ディレクター」などの肩書きも思い浮かんだのですが、それでは私がやりたいことの微妙なニュアンスを表現できないと感じ…。エシカルな考えをとおして人と人をつなぐという意味を込めて「コーディネーター」という言葉を選びました!

当初はわかりやすさを意識して肩書きを付けたはずだったのですが、エシカルという言葉自体がまだあまり浸透しておらず、「エシカルって何ですか?」とよく聞かれることがありました。しかし、そうやって質問されることがエシカルについて説明する良いきっかけになったので、この肩書きにして良かったと思っています。

亜莉沙さんは、フリーランスで活動されているのですね。

はい。実は以前、芸能系のお仕事をしており、そのお仕事をしながら活動することも考えたのですが、芸能系にいくと自分の伝えられることが狭まってしまうのではと思い、事務所に入らずフリーで活動することに決めました。

学ぶことで深まったエシカルへの興味

卒業式の写真

エシカルな活動や考え方に興味を持ったきっかけを教えてください。

学生の時にアメリカ西海岸のオレゴン州に住んでおり、そのときに受けた理科の「環境科学」の授業がきっかけです。

授業では、落ち葉や枯れた木が土にかえり、また森が育っていくといった森の循環や生態系、地球環境、そして環境と人間の関係などを学びました。そのなかで、人間が食べているものや身につけているものといった身近なものが環境を破壊していること、病や児童労働などの問題につながっていることを知り、衝撃を受けました。

それから「選ぶものを変えていこう」と思うようになり、自分の食べるものから意識を変えていきました。例えば、お肉を食べることは環境破壊につながる可能性があるので、私は選ばないようにしています。

学生の頃から取り組まれているボランティア活動での経験も、エシカルな考えに興味を持つきっかけになったのだとか。

ハイチでのボランティアの写真

そうですね、ハイチでのボランティアも自分にとっての学びになりました。ハイチは発展途上国で、実際に行ってみるとテレビで見るのとは違う現実が広がっていて…。そこでのさまざまな体験をとおして、自分の住んでいるところとは遠い場所のことでも、自分の生活とその場所で暮らす人々の生活は直接的につながっていると実感しました。

こういった現実を知っている人が少ないので、今の社会の仕組みができてしまったのだ思います。そのため、日本に帰国してからも、エシカルについてもっと学びたい、伝えていきたいと思うようになりました。

そのときに出会ったのが「エシカル協会」だったのですね?

エシカル協会主催のファッションショー

はい!当時はまだ法人化されていなかったのですが、エシカルジュエリーブランド HASUNAの白木夏子さんや、ピープルツリーのサフィア・ミニーさんなどがゲスト講師のフェアトレードコンシェルジュ講座が開催されていました。

この講座を受講したことで学びが深まりましたし、社団法人の理事の方から協会主催のファッションショーなどといったイベントのお手伝いの仕事依頼をいただくなど、活動が広がっていきました。今取り組んでいるオーガニックレストラン関連のお仕事も、お声がけいただいたことがきっかけでスタートしました。

エシカル・サステナブルを流行りで終わらせないために

西表島でのエシカルツアー

エシカルコーディネーターとして今まで活動してきて感じたことを教えてください。

活動を始めてから現在まで、変化が大きかったですね。最近では、テレビやメディアの取材が増え、このテーマを取り上げてもらうことが多くなりました。始めは、著名人などをゲストに迎えてトークをするなんて考えられなかったですし、メディアはこういったテーマを取り上げてくれないと思っていました。活動するなかで、最近は時代が変わったなと感じています。

状況や時代が変わったのは、なぜでしょうか?

海外から話題になり、大手企業がサステナビリティやSDGsをうたい始めて状況が変わってきたのでは、と思っています。大手企業が取り上げることで、多くの人がエシカルやサステナブルという言葉を目にするようになりました。また、「取り組まないといけない」という空気や、トレンド感も影響していると思います。

現在の状況について、どのように感じていらっしゃいますか?

言葉が浸透し、広まっていくのはとても嬉しいです。ただ、今が言葉としての流行りで終わるのか、本当の意味で浸透していくのかという節目の時期にきていると感じています。

上辺だけのエコを指す「グリーンウォッシュ」のように、言葉ではエシカルやサスティナビリティをうたっているけれど、実態が伴っていないものが今の時代にはたくさんあります。そこに、言葉だけに騙されてしまう怖さがありますね。

「言葉としての流行り」で終わらせないために、私達はどんなことができるのでしょうか?

まず、企業側が本質的なものを追求していく必要があります。どんなことも答えは1つではないので、消費者に「考えてもらうきっかけ」を作ることが大切。

さらに消費者側にも、言葉に騙されず本質的なエシカル・サステナブルを追及、探求する人が増えたら、人や環境に優しい社会になっていくと思います。また、そういった人が増えるよう取り組んでいきたいです。

具体的に、私達はどのようにモノ・コトを選んでいけば良いのでしょうか?

まず、「Betterな選択肢」がたくさんあることを知ってもらいたいです。

例えば、ネイルポリッシュは、生産されない・使わない方が環境に良いもの。しかし、ネイルをする文化は昔からありますし、使う人の気持ちをハッピーにするものでもあるので、それを無くすのは極端かなと思います。そこで、考えてほしいのが「Betterな選択肢」です。天然素材など再生素材の容器を使用しているものなど、探せば地球に優しいネイルが見つかるはず。

サステナブル・エシカルとひと口に言っても、環境に優しいものやジェンダーに配慮したものなどさまざまなので、その中から自分に興味があることを選んでほしいなと思っています。

たくさんの"気づき"を与えてくれる、エシカル・サステナブルなプロダクト

亜莉沙さんが最近注目している、エシカル・サステナブルなプロダクトを教えてください。

7NaNaturalのカラースティック

「7NaNatural」は、「人生も、世の中も、ナナイロに」がコンセプトのコスメブランド。ビジュアルも素敵ですが、カラースティックなどのケースが再生プラスチックでできているのもポイントです。封筒が付いており、使用後はケースを回収→再利用に回してもらえます。そんなサーキュラーな仕組みにも惹かれました。

また、一般に販売されているコスメに比べてかなり小さいのも、こちらのブランドの特徴。メイクには流行があるので、そのシーズンに使い切れなかったら捨ててしまう人も中にはいると思います。しかし、これくらいの小さいコスメであれば、しっかり使い切れそうですよね。

そこから、なぜコスメは使い切れないサイズのときがあるのだろう?小さいサイズで十分じゃない?という気づきがありました。また、コスメ以外にもパッケージに入っている食品の大きさとかって誰が決めたんだろう?もっと無駄が少ないサイズ感にできるものもあるんじゃないか?と考えるきっかけになりました。

「COSME no IPPO(コスメノイッポ)」は、使わないコスメを回収してクレヨンにしてくれるブランド。いただきもので自分にとっては少し派手な色、オンラインで購入してみたけど実際肌に合わなかったものなど、使っていないけれど捨て方がわからず置いたままになってるコスメって意外と多いですよね。

このサービスを利用すれば、そういったコスメ達がもう一度活躍できるのが魅力。中身を送るとクレヨンになって自分に戻ってきて、新たな使い方ができるのが面白いです。こうしたクリエイティブなアイディアが世の中をより楽しく、より良いものにしてくれるのだと思います。

エシカル・サステナブルなブランドやプロダクトについての情報は、どのようにチェックしているのですか? 

いろんな記事を読んだり、ドキュメンタリーを見たり、自分で探しにいくことが多いですね。周りにこの辺りの情報に詳しい先輩方が多くいるので、その方々から直接教えてもらえる機会があるのも恵まれていると感じています。その他、ブランドさん側からリリース情報を教えてもらうこともあります。先ほどのカラースティックもブランドさんの方からご連絡があり、興味を持ちました。また、クレヨンは雑誌「ELLE」の企画でレポートする機会があって知りました。

ストレスフリーなアクションでエシカルを伝えたい

北海道ロケの写真

日々の活動の中で、意識していることを教えてください。

「無理をしない事」です。もともと、誰かや何かのためになることに取り組むのは楽しいと思うタイプなのですが、極端にストイックになってしまうと使命感が強くなり、長くは続かないなと感じています。

0か100かのような極端な考え方は、自分はもちろん、まわりにもストレスを与えてしまいます。自分が楽しんでできる活動でないと、楽しい波紋を広げていくことは難しいですね。

「無理をしないこと」を意識するようになったきっかけはあるのでしょうか?

今は自分の中の「ちょうど良いバランス」を知っているので、無理をすることはないのですが、活動を始めたばかりの頃は「絶対にこれを選ばないと!」「これを選んではだめ!」と、極端になってしまい辛かったです。自分だけでなく、家族などまわりの人にも同じ考え方を求めてしまい、ストレスに…。

この経験から、「ストレスフリー」で進めていくことの大切さを実感しました!エシカルは概念なので、人それぞれ。自分にとっては楽しいけれど、その人にとっては楽しくないかもしれない。なので、その人なりのエシカルを見つけてほしいですし、それを考えるきっかけを自分が作れたら素敵だなと思っています。

普段の暮らしのなかで、簡単に始められるエコアクションやおすすめしたいエコアクションがありましたら教えてください。

1つ目は「食事」についてですね。お肉、特に牛を食べることは、環境への影響が大きいと言われています。まったくお肉を食べないというのは難しいかもしれませんが、3食の中で1つはプラントベースのものを選んでみてはいかがでしょうか。

2つ目は「買い物」について。できるだけ作られた背景がわかる商品をおすすめします。その背景に賛同できるかどうか、じっくり考えて選んでみてください。

思い入れで選ぶエシカル・サステナブルジュエリー

登壇するエバンズ亜莉沙さん

ここからは、普段身に着けてらっしゃるジュエリーについてお伺いします。エバンズさんにとってのジュエリーとはどんな存在ですか?

私にとってジュエリーは「お守り」のような存在。自分のお気に入りを毎日身に着けています。それがないと違和感があったり、着けていると安心したりするので、例えば同じ指に同じリングを着けることも多いです。

普段のジュエリースタイリングや購入時のこだわりなどありましたら、教えてください。

そもそも、ジュエリーを新しく買うことが少ないので、長く愛用できるデザインを選ぶようにしています。持っているのは、フェアトレードかセカンドハンド、ヴィンテージのものがほとんどです。

ヴィンテージのジュエリーは、「誰かのお気に入りだったものが自分に受け継がれている」というところが素敵ですね。私も子どもや誰かに受け継いでいけるように、大切に身に着けていこうと思っています。

亜莉沙さんが愛用されているなかで、思い入れのあるジュエリーをいくつか見せてください。

カンボジアの薬莢ピアス

これは、大切な日に身に着けているピアスで、知人のブランドのもの。軍の練習で使われていたカンボジアの薬莢(やっきょう)をピアスに作り替えたものです。平和への想いが込められていて、ストーリーを知るといろいろと考えさせられます。

値段が高いわけではないのですが、このピアスを着けると気持ちが引き締まりますし、勇気や力をもらえるので、イベントで登壇する日やMCを担当する日などに身に着けるようにしています。

フェアトレードのリング

フェアトレードのリングも思い入れのあるジュエリーの1つ。写真のものはピープルツリーのもので、フェアトレードについて学んでいたときに購入しました。こういったお店は、SNSやまわりの人からの情報、身近な人の発信などから知ることが多いです。

ヴィンテージボタンのピアス

ヴィンテージボタンを使ったピアスもお気に入りです。主にヨーロッパからのヴィンテージパーツでアクセサリーを作っている友人の作品で、デッドストックの布を再利用したパーツも活用されています。デッドストックの布が大量廃棄されているファッション業界の現状を問題視し、尾州の余り布やサンプル布を買い取ってピアスのパーツにしているそうです。

アップサイクルで地球にやさしいサステナブルジュエリーブランドmi luna

mi lunaのジュエリーを身に着けたエバンズ亜莉沙さん

亜莉沙さんから見たmi lunaの魅力は何でしょうか?

mi lunaのアイテムには、良い意味でシンプルに「綺麗なジュエリー」というイメージを持っています。それがアップサイクルによって生み出されているのは、素晴らしいですね。ものが溢れている世の中で新しく資源を掘り起こすのではなく、すでにあるものをこのように新しい形に生まれ変わらせているところに魅力を感じました。

天然石は好きなのですが、ブラジルにいる知り合いから鉱物を採取する裏側の話を聞いたときに、抵抗を感じて…。気が引けるので、今まで新しく購入するのは避けていました。しかし、mi lunaのジュエリーはすでにあるものをアップサイクルしているので、安心して手に取れて嬉しいです。

mi lunaについては、いつからご存じでしたか?

KOMEHYOさんの天然石を使用しているということで、KOMERUの記事連載をしているなかで知りました。サステナブルジュエリーは最近増えていますが、アップサイクルジュエリーは珍しいので印象的でした。

最後に、今身につけてくださっているmi lunaパールネックレスのお気に入りポイントを教えてください!

シンプルで軽いので、どんなコーデにも合わせやすいですね。短いネックレスと重ねたり、長さを調整したりして印象変えられるのも素敵!黒いTシャツなどのシンプルなスタイルも、一気に華やかでエレガントになるところが気に入っています。

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