- Interview
- 2022.10.27
【My “TIMELESS” Vol.3】アクティビスト&フィットネストレーナー・Yuinaさん
環境に配慮したライフスタイルを送りながらファッションを楽しむ、素敵な女性達にフォーカスし、サスティナブルなライフスタイルやmi lunaのジュエリーについてインタビューする企画、My “TIMELESS”の第三弾!今回は、フィットネストレーナーの傍ら、アクティビストとしてジェンダー問題をはじめとし、環境問題やサスティナビリティなどのさまざまな社会問題の解決に取り組む、Yuinaさんにお話をお伺いしました。
Yuinaさんってどんな人?
まずは自己紹介をお願いします!
ナイキジャパンのオフィシャルトレーナーとして活動しています。また、一般社団法人 ATHENA(アテナ)の代表理事も務めており、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントが発揮できる社会を目指す、さまざまな活動に取り組んでいます。
その他、個人で企業への講演を行ったり、SNSやメディアを通して啓発行動を行ったりするアクティビストでもあります。
Yuina(@yuinayuye)• Instagram photos and videos
フィットネストレーナーやATHENAの代表として、具体的にどのような活動をされているのですか?
ナイキ主催のイベントにトレーナーとして登壇し、セッションを行っています。セッションの内容は、お家でもできるような簡単なフィットネスから汗をしっかりとかくようなエクササイズ、ランニングを組み合わせたものなどさまざまです。
ATHENAの代表としては、「女の私、男の私ではなく”ただの私”でいられる社会」をテーマに掲げ、ジェンダーの固定観念に縛られることなく、誰もが自由な選択をできる社会を目指す取り組みをしています。
性別の固定観念からくる日本のジェンダー問題
日本におけるジェンダー問題にはどのようなものがあるのでしょうか?
日本が直面しているジェンダー問題は、性別の固定観念からきていると考えています。「女性はこうあるべき」「男性はこうあるべき」という固定観念が、女性の政治参加率の低さ、リーダーの少なさ、男女の賃金格差、性暴力の問題などにつながっていると思います。
現代の日本はすでに男女平等なのでは?と思う人もいるかもしれませんが、格差や偏見により生きづらさを感じている人がいるという事実を知ってほしいです。
そして、偏見や固定観念は誰もが持っており、意図していなくても他の人に押し付けていることに気付いてほしい。そう願って日々取り組んでいます。
具体的にどのような活動をされているのでしょうか?
より多くの方がジェンダー問題を身近に感じられるよう、そして、ジェンダー問題に興味を持つきっかけづくりになるよう、スポーツやファッション、アート、環境問題など他の社会問題を入口とした活動をしています。
具体的には、古着をアップサイクルしたオリジナルアパレルを販売し、デザインに私達が伝えたいメッセージをのせています。興味を持ったり、手に取ったりといったきっかけは「ただ可愛かったから」でOK!そこから、デザインに込めたメッセージを理解してもらえたら嬉しいです。
その他、ATHENAではヨガ資格を持つメンバーが担当する「セルフラブ」をテーマにしたヨガも開催しています。自分の体と向き合うことで、セルフラブを感じられるきっかけになればと思っています。
現在の活動に興味を持ったきっかけを教えてください。
高校生のときに、フェミニズムやジェンダー問題に興味を持ち始めたのがきっかけです。私は15歳からアメリカ・フロリダにある高校の寮に入っており、そこでさまざまな国から来ている子と出会いました。その子達や先生の言動で驚いたのが、ジェンダー的発言にとても敏感であること。
例えば、日本では「女の子なんだから、料理ぐらいできなきゃ!」といった発言は、気に留めることなく流されてしまいます。しかし、私が寮生活で出会った人達は、そういった発言に対して必ず注意します。そういった姿を見て、自分もジェンダー的発言を問題視するようになりました。
そこからフェミニズムについて調べるようになり、自分がフェミニストだと気付きました。
日本ではまだジェンダー問題が身近に残っているのですね。
そう思います。日本では、テレビを見ていても「男性はメインMCを担当し、女性は1歩うしろに引いてサポート役に徹する。」という構図をよく見かけます。また、「モテる」「愛される」などのワードが街に溢れていても、違和感を覚える人が少ないように感じます。
私も日本にいた時は、こういったジェンダーへの固定観念に違和感を感じていませんでした。しかしアメリカで暮らしてみて、フェミニストであること、フェミニストを公言することが当たり前となっているアメリカと日本との間にギャップを感じるようになりました。
今まで普通と感じていたことも、違う視点から見ることで違和感に変わるようになるのではないかと思います。
広がるさまざまな社会問題への興味
高校卒業後は、どのような活動をされていたのですか?
高校卒業後は、帰国して日本の大学に通い始めたのですが、そのときにも興味のあるジェンダー関連の授業を積極的に受けていました。
その後、3年生になり就職について考えていたときに参加したのが、女性団体へのインターンシップでした。そのなかで、ジェンダーの活動を仕事にできるということを知り、自分のやりたいことだと感じました。
そこから、どこでどのように働くかを考えたときに、まずはもっとジェンダーについて学びを深めたいと思い、ロンドンの大学院へ進学することに決めました。
ジェンダー学を学んで得たこと、考えたことを教えてください。
ジェンダー学は深く、環境問題など他の社会問題にもつながる側面を持っています。なんでもジェンダーの視点から考えられるところが興味深いなと感じます。
これは、他の社会問題に興味がある人にも言えることです。そもそも、1つの社会問題に興味のある人は、他の社会問題にも興味を持っていることが多いもの。社会のため、地球のために何かしたいという思いは、どの社会問題に興味を持つ人も同じなので、他の社会問題にも興味を持ちやすいのだと思います。
無理をしないことで持続可能なアクションになる
Yuinaさんが日々の暮らしの中で意識していることを教えてください。
「無理をしないこと」を意識し、自分の中で無理がない範囲でできることに取り組んでいます。
私の場合は、お肉をやめること。とはいえ、人間なので矛盾はあると思っています。私は100%ヴィーガンでなく、肉や魚の消費を抑え菜食中心の食生活を送るフレキシタリアンであり、それが私にとって無理なく長期的に続けられるサスティナブルなアクションなので、それで良しとしています。
ただし、自分が許せない矛盾はなくしていきたいと思っています。例えば、犬が好きなのにペットショップで犬をかうこと。私も保護犬活動について知る前は、ペットショップで犬をかったこともありました。しかし、高校の時に動物実験について学んだり、ペット産業について疑問を抱くようになってからは、自分自身も犬を保護したりと、保護犬活動を支持しています。
SNSなどでも自身の考えなどを発信されているYuinaさんですが、そのなかで意識していることはあるのでしょうか?
社会問題に興味のない人にどうメッセージを届けるか、日々思考錯誤しています。Instagramでも、フィットネストレーナーや、インフルエンサーという切り口からもフォローしてもらえるように意識しています。そこから、自分の発信するメッセージを知ってもらえたら嬉しいですね。そうやって、より多くの人にメッセージを伝えていきたいと思っています。
興味や憧れから始めるサスティナブル
私達にも取り組みやすい、サスティナブルなアクションを教えてください。
簡単に始められるサスティナブルなアクションとして、マイバッグやマイストローの活動を思い浮かべる人が多いのでは?それ自体は素晴らしいことなのですが、環境改善がすぐに目に見えるわけではなく実感しづらいため、めんどくさいという気持ちが勝り、なかなか続かないという声も聞きます。
そこでおすすめなのが、自分が興味を持っているものが、どう社会問題につながっているか考えてみることです。
例えば、ファッションが好きなら自分の着ている服はどうやって作られてどのような環境負荷があるのか、海が好きならどうすれば海を守れるかなど。興味のあることから生まれるアクションが、最も持続可能だと思っています。
アート、スポーツ、ミュージックなど、自分が興味を持てる分野で社会問題を見つけ、そこから自分に何ができるのかを考えてみてください。
「サスティナブル」という言葉が日本でも浸透してきましたが、どうすればサスティナブルなアクションがより盛り上がるでしょうか。
サスティナブルをブームで終わらせてはいけませんが、ブームになって盛り上がるのは良いことだと思っています。「映え」や「流行り」を求める若者のパワーや原動力は素晴らしいものなので、その原動力をぜひ活かしてほしいです。
今は義務教育の現場でもSDGsについて学ぶ機会があるので、サスティナブルなモノコトが「カッコイイ」「クール」と位置づけられれば、根本理解は後からついてくると思います。まずは始めてみようという人が増えることを願っています。
また、社会問題について発信している著名人が少ないのも日本ならでは。日本は完璧主義すぎて専門家でないと発信してはいけない空気があり、政治について考えを述べる芸能人も少ないように思います。もっと「憧れの存在がやっているから、私もやってみよう!」というムードが広がってほしいですね。
私も専門家ではないし、完璧にサスティナブルな暮らしをしているわけではありません。みんなが完璧じゃなくても良いので発信、行動すると日本も変わっていくと思います。
「誰かの”いらない”を他の誰かの”ほしい”に変える」mi lunaのジュエリー
ここからは、mi lunaやジュエリーについてお伺いします。Yuinaさんにとっての「ジュエリー」とはどんな存在ですか?
シンプルなスタイルが多いので、最後の仕上げとしてジュエリーを身に着けます。コーデ全体のアクセントになるのが良いですね。また、ジュエリーによってさまざまな印象を演出できたり、身に着けるだけでおしゃれに見えたりするのも楽しいです。
ジュエリーを選んだり購入したりするときに気を付けていることを教えてください。
なるべく新しいものを買わず、前から持っているものを大切にするようにしています。新しく購入する場合も、環境に配慮されたブランドを選んでいます。今も、大学生時代にブランドポリシーに共感して購入したジュエリーを大切に身に着けています。
Yuinaさんが思う、mi lunaの魅力は?
初めてmi lunaを知ったのは、友人のSNS投稿でした。「誰かの”いらない”を他の誰かの”ほしい”に変える」というアップサイクルな考えが素敵だなと感じ、印象に残っています。私自身のブランドでも古着をアップサイクルしているので、通じるマインドがあると思っています。
mi lunaのジュエリーは、自分が普段選ばないようなカラフルなカラーなので、身に着けると新鮮ですね!パワフルなパワーをもらえそう。また、mi lunaのブランドコンセプトやストーリーに共感して身に着けている人にとっては、リマインダー的アイテムになりそうですね。
社会問題について興味を持つようになっても、人間なのではじめのマインドを忘れてしまうことがあります。私はそういうときのために、繰り返し思い出せるリマインダー的アイテムを身近に置くようにしています。mi lunaのジュエリーも目に入りやすいものなので、リマインダーになるのではと思います。
身に着けるたび、目に入るたびに気分が上がって、そこから社会問題へも考えが及ぶなんて素敵ですね!
「思いやり」が活動の原動力
最後にYuinaさんにとっての”TIMELESS”なモノを教えてください!
私の”TIMELESS”なモノは「思いやり」です。思いやりが社会問題へのさまざまな取り組みの原動力になっていると思っています。
例えば、プラスチックを減らすためにマイバッグやマイストローを持つのは「地球への思いやり」。また、プラスチックを減らすために取り組んだ行動により、次の世代の人達がきれいな海で遊べたら、それも「子ども・孫世代への思いやり」ですよね。
遡ると、今、男女同権の考え方があるのも、前の時代に声を挙げ、権利のために戦ってくれた人達の思いやりや勇気のおかげ。なので、私もこの思いやりを引き継ぎ、自分の勇気や声が、この先の時代の女性達の生きやすさにつながればと思っています。時代は続いていくものなので、これは自分のためでも、他の人のためでもあります。
この先を生きる人に「今の時代に生まれて良かった」と思ってもらえるほど、より良い未来になることを願っています。
mi luna
「mi luna = 私の月」 今を輝く女性を照らす、地球に優しいサステナブルジュエリー。一度ジュエリーとして輝いた天然石やパールをアップサイクルして、新しい姿へと生まれ変わらせました。K10・K18を使用した1点もののリングやネックレス・ピアスを展開しています。