- Interview
- 2022.07.29
【My “TIMELESS” Vol.2】ファッションで社会課題の解決を目指す・西側 愛弓さん
環境に配慮したライフスタイルを送りながらファッションを楽しむ、素敵な女性達にフォーカスし、サステナブルなライフスタイルやmi lunaのジュエリーについてインタビューする企画、My “TIMELESS”の第二弾!今回は、ファッションを切り口として社会課題の解決に取り組む、西側 愛弓(にしがわあゆみ)さんにお話をお伺いしました!
西側 愛弓さんってどんな人?
貧困地域の子ども達が参加するファッションショーの開催などを通して、貧困問題・労働問題の解決に取り組むNPO法人「DEAR ME」の代表理事。また、サステナブルなファッションブランド「coxco」を運営する「株式会社coxco」の代表も務め、ファッションで社会課題を解決するためのさまざまな活動に取り組まれています。
西側 愛弓/𝐀𝐘𝐔𝐌𝐈 𝐍𝐈𝐒𝐇𝐈𝐆𝐀𝐖𝐀 (@ayupooonn) • Instagram photos and videos
ファッションでみんなと夢を描きたい
どういった想いから「DEAR ME」を立ち上げたのですか?
「DEAR ME」は2015年、私が大学3年生のときに立ち上げた団体です。「ファッションでみんなと夢を描きたい」という想いから、フィリピンの貧困地区の子ども達がモデルとしてランウェイを歩くファッションショーを今までに8回開催してきました。
「DEAR ME」が目指す、今後の目標は?
「誰もが描いた夢に対して努力できる環境をつくること」が今後の目標ですね。現在はこの目標に向けて、マニラにファッションスクール「coxco Lab」の開校を目指しています。「DEAR ME」は約3年前から、マニラにファッションスクールを作ることを目標にしていたので、この取り組みを進められて嬉しいです。
週に2~3回程度、現地の先生のレッスンを通して服のデザイン・縫製技術を身につけられる、技術訓練所のようなファッションスクールにしたいと思っています。
服のかたちをしたメディア「coxco」
「DEAR ME」に続き「株式会社coxco」を立ち上げた経緯を教えてください。
「DEAR ME」はNPO団体で、NPOだからこそ出来る取り組みがあると思うのですが、本質的に社会課題の解決を目指すには事業も結びつけていく必要性があると感じるようになりました。
そこで、立ち上げたのが「株式会社coxco」です。
「株式会社coxco」が運営するファッションブランド「coxco」とは、どのようなブランドなのですか?
「coxco」というブランド名には、「Cocreation(共創)」と「Communication(意思疎通)」という意味を込めています。より良い社会を共創していくためのコミュニケーションが「coxco」を通して生まれたら素敵だなと思い、このブランド名にしました。
「coxco」では”服のかたちをしたメディア”をコンセプトに、服やジュエリーなどのプロダクトに社会課題や伝えたいメッセージを込めています。
例えば、今私が着ている「coxco」の服は海洋問題がテーマ。海洋汚染、ペットボトルの廃棄といった課題を服を切り口に伝えたいと思い、国内のリサイクルペットボトル100%でできた素材を使用しています。
このように、プロダクトを手に取った人の社会問題と向き合うハードルを下げることが、「coxco」の目指すところです。ただ服を作るだけではなく、社会課題を伝え、みんなで解決していけたらと思っています。
今までの活動の中で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。
「DEAR ME」のファッションショーに参加してくれた子ども達の変化が印象に残っています。ファッションショーでは、子ども達が衣裳デザインを担当し、日本の専門学生さん達が衣裳をアップサイクルします。それを着て子ども達がモデルとしてランウェイを歩くのですが、その過程で表情や内面の変化を感じられるのがとても嬉しいです。
始めはシャイで自信なさそうにしていた子が積極的で前向きになっていく姿を見ると、ファッションショーでの経験を通して変わってくれたんだと実感でき、自分自身のモチベーションアップにもなります。
また、ファッションショーに参加してくれる貧困地域の子ども達の中には英語が喋れない子もおり、言葉が上手く通じないこともありますが、自信を持ってランウェイを歩く姿を見ると思いはちゃんと通じるのだと感じられて嬉しいです。
愛弓さんの活動に賛同し、応援してくれる方も増えているのだとか?
はい!「coxco」のお客様やサポートしてくれる友人の中には、「DEAR ME」の活動を応援してくれる人も多いです。「coxco」のポップアップイベントやInstagramの投稿などを通して「DEAR ME」の活動を伝えていくことで、賛同してくれる人が増えました。
日ごろ、お客様や友人から優しさや思いやりをたくさんいただいているので、その愛を今度は私が、社会やフィリピンの子ども達に伝えていきたいと思っています。
自分らしい価値観や感性の大切さを伝えたい
「coxco」でのものづくりで感じた、アップサイクルならではの面白さを教えてください。
一点ものの服との出会いや、自分だけのおしゃれを楽しめるのが、アップサイクルの良いところ。また一点ものだからこそ、大事にしようという気持ちもより強くなるのではと思っています。
「coxco」では、服作りに残布を使用しているので、手に入る生地のメーター数に限りがあります。そのため、少ない枚数しか作れなかったり、同じ服でも生地違いで縫製してシルエットや着心地が異なったりということがあります。
今までは「製品は同じ色や同じデザインでなければならない」という価値観が一般的だったと思います。しかし、その考えを払拭してくれるのが、アップサイクルの面白いところ!生地やシルエットなど、それぞれ違っているからこそ魅力的で素敵なんですよね。
また、アップサイクルなプロダクトは「型にはまらなくてもいいよね」「制約から外れてもいいよね」という自分らしさを尊重するマインドにもつながると思っています。自分ならではの価値観や感性を築くことの大切さを、アップサイクルな服やジュエリーを身に着けることで感じてもらえたら嬉しいです。
プロダクトの生産背景を知り、気づいたことや学んだことはありますか?
「服は魔法のように簡単には作れない」ということを実感しました。今は服がいっぱい流通しており、安く売られているものもあるので、生地からあっという間に服が出来上がるようなイメージを持つ人もいるかと思います。
私も以前までそういった感覚だったのですが、生産背景を知り、その考えが変わりました。まず生地を作るのに何工程もかかります。さらに、そこから縫製などあらゆる工程を経なければ服は完成しない。1着の服には、服作りに関わる多くの人の手間や思いがこもっているんですよね。
ものや服をより大切に使おう、大事に着ようと思えるのは、この生産背景を知っているからこそ。そういった想いから、「coxco」ではニュースペーパーを作って生産背景を伝えるようにしています。
また、生産者が消費者について知れる環境も大切だと考えています。実は「coxco」に関わってくれている生産者さんが、私のInstagramの投稿を見たり、ブランド名で検索したりと、購入者さんの反応などをチェックしているみたいで、それがモチベーションアップになっているそうなんです。そんな風に、生産者と消費者がつながっていけたらより素敵だなと思います。
生産者と消費者がつながれるのは、SNSの時代ならではですね。
そうですね!ただ、主な情報源がSNSになると、自分の好きな情報しか入ってこないことも。社会課題などについて、興味がある人は自分でどんどん情報を得られますが、興味がない人は情報が全然入ってこない状態になってしまいます。
もともと社会課題などに興味がなくても、手に取った「coxco」の服が、社会課題を意識するきっかけや問題提起になったら嬉しいです。
少しの意識変化で始められるサステナブル
ファッション以外に、日々の中で意識しているサステナブルなアクションはありますか?
ごはんを食べるときは、食品ロスを生まないように自分が食べられる量のみを「作る」「食べる」「注文する」ように心がけ、絶対に残さないことを意識しています。
ストイックになり過ぎるのは避けたいですが、ファッション以外にもサステナブルなアクションをしていきたいという気持ちがあって。自分が疲れない程度に楽しく心地良くできる範囲で、簡単にできることから取り組みたいと思っています。
愛弓さんが注目している、アパレル以外のサステナブルなブランドを教えてください。
「ZENB」という食品ブランドがお気に入りです。環境への負荷が少ないとされる黄えんどう豆でできたヌードルや、皮・芯まで使用した野菜スティックなど、おいしくてサステナブルな食品がラインナップしています。
豆ヌードルは、パスタの代わりに使うことが多いです。栄養価が高く、環境にも優しいので、罪悪感なく食べられるのが嬉しいですね!
新主食 ZENB(ゼンブ)公式通販
ミツカングループのZENBは、まるごと素材の栄養をおいしく食べる「新しい食」を提案します。素材本来の味を生かし、添加物に頼らない味づくりで、おいしいとカラダにいいがひとつになる食生活をお届けします。
ジュエリーは気軽に身に着けられるお守り
ここからは、ジュエリーやmi lunaについてお伺いします。愛弓さんにとって「ジュエリー」とはどんな存在ですか?
日常の中で気軽に身に着けられるお守りのような存在です。いつものジュエリーを身に着けていないとなんだか落ち着かないなど、着けている時といない時では、気持ちの面に違いが出ますね。
普段どんなジュエリーを着けることが多いですか?
ジュエリーの好みも年々変わってきており、20代前半ごろまでは大ぶりなものが好きだったのですが、だんだんと華奢なものを好むようになってきました。その時の自分にしっくりくるジュエリーを楽しめたらいいなと思っています。
愛弓さんのおばあ様もジュエリーがお好きなのだとか?
そうなんです!私が将来、祖母から受け継ぐ予定のジュエリーがいくつかあります。リングやネックレスなど、祖母が大事に身に着けてきたものを私も身に着けられるのが嬉しいです。将来的には、私も先の世代へ大切に受け継いでいけたらと思います。
サステナブルなジュエリーブランドmi luna
愛弓さんが感じたmi lunaの魅力は?
「とにかく可愛い!!」が初めてmi lunaを知ったときの印象です。どんなに素敵なテーマやサステナブルな背景があっても、ジュエリーは可愛くてキラキラした見た目が入口じゃないと欲しい、身に着けたいとならない人も多いですよね。「可愛い」を入口に、そこからサステナブルなマインドにつながっているところがmi lunaの魅力だと思います。
また、眠っていた天然石をアップサイクルして新しい姿に生まれ変わらせるというコンセプトも素敵!同じ宝石でもそれぞれのカラーの違いをファッションとして楽しめるのは、天然石を使用しているからこそですね。
mi lunaのジュエリーを使ってどんなスタイリングをしてみたいですか?
今着ているような、シックなブラックドレスに合わせると、mi lunaジュエリーの煌めきが際立ちますね!
また、ドレスアップにプラスするのも良いですが、シャツ×デニムなどのカジュアルスタイルに合わせるのもこなれた雰囲気を演出できそう!上質なジュエリーだからこそ、普段使いで毎日身に着けたいですね。
最後に愛弓さんにとっての”TIMELESS”なものを教えてください!
自分自身が愛を持って大切にしてきた「愛でられるもの」ですね。背景まで理解して選んだ、語りたくなるほど愛しているものをこれからも大事にしていきたいです。さらに、自分が「愛でてきたもの」や「愛でられるもの」を次の世代にも伝えていきたいと思っています。
mi luna
「mi luna = 私の月」 今を輝く女性を照らす、地球に優しいサステナブルジュエリー。一度ジュエリーとして輝いた天然石やパールをアップサイクルして、新しい姿へと生まれ変わらせました。K10・K18を使用した1点もののリングやネックレス・ピアスを展開しています。