ここ10年でよく耳にするようになり、私達の身近な存在となったファストファッション。その対義語とも言えるスローファッションが注目されています。まず初めにスローファッションの考え方とともに、注目される理由や魅力を紹介します。

良質なものを大切に長く着る、というのがスローファッションの基本的な考えです。1つの洋服を長く着るだけではなく、長く着たアイテムは捨てずにリメイクして、別のものへ変化させて再利用する人もいます。一部の企業では、天然繊維や資源を無駄遣いしないよう、リサイクルして新たな製品を生み出す取り組みも行われ始めました。

ちなみに、大量生産・大量消費で「とにかく安く・早く」というファストファッションとスローファッションは、真逆の価値観です。スローファッションに適したアイテムを扱うブランドの洋服は、少し値段は高くなるものが多いですが、素材や機能性、サイズ感などにこだわって選ぶことで長く着ることができます。

今まで人気だったファストファッションは、買ったり捨てたりの回転が早い分、すぐゴミになってしまうことが問題となっていました。そこで、1つの洋服を長く大切に着るスローファッションが注目され始めたのです。

日本では年間約100万トン、約30億着もの衣料品が廃棄されていると言われています。消費される衣料品よりも生産される衣料品の方が多く、需要と供給のバランスが取れていないのが現状です。

また、コロナ禍で衣料品を買い替える機会や外出が減ったことで、「自分が着心地が良いと感じるものを着たい」と考える人が増えたのも、スローファッションが注目される理由の1つとされています。

スローファッションは、いくつも服を買ったり捨てたりしない考え方なので、環境にも配慮できます。洋服を大切にすることは、最近注目されているサステナブルな生活の第一歩となるでしょう。また、自分が好きな洋服のみ保有することで、常に嬉しい・楽しい気持ちでおしゃれを楽しめるところもスローファッションの魅力と言えます。

ちなみに、サステナブルとは「持続可能な」という意味です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

考え方をガラッと変えるだけで、スローファッションをもっと身近に感じられるようになるかもしれません。ぜひ、スローファッションを意識したライフスタイルを今日から始めてみてください。誰でも簡単に、日々の生活にスローファッションの考え方を取り入れられる方法を紹介します。

まず初めに、クローゼットの中にあるアイテムをチェックしてみましょう。着ていないもの、使っていないものがあったらコーディネートに積極的に取り入れることで、無駄なアイテムがなくなります。

また、クローゼットの扉を常に開けておくと、中身が見えて使っていないものをすぐにチェックできるので便利です。それに加え、アイテムを置く場所を1つにまとめておくと、日頃から使っていないアイテムを把握しやすくなります。

新しい洋服を購入する前に、自分のクローゼットに似たようなアイテムがないかチェックしてみましょう。似たアイテムがある場合は、今ある洋服を着なくなってしまう可能性が高まるので、新しいものを買うのは控えるのが賢明です。それにより、クローゼットに使わないアイテムが増えるのも防げます。

また、洋服は毎日洗うと着崩れが起こりやすいので、気に入ったものは色違いで購入して着回すのも1つの方法です。自分のスタイルが決まっていて、毎日これしか着ないというものがあれば、複数買いを検討してみてはいかがでしょうか。

使わないアイテムはそのままにしておく、または捨てるのではなく、リユースショップに持っていきましょう。そうすることで、そのアイテムを欲しいと思う人に大切に着てもらえる可能性が高まります。

スローファッションは1つの洋服を大切にする考え方なので、洋服を購入する際は「長く着られるか」を意識することが重要です。ここでは、実際に洋服を選ぶ時のポイントやコツを紹介します。

長く愛用するには、洋服の素材や品質が良いものを選ぶのがおすすめです。品質の良いものは、耐久性だけではなく着心地も良いので長く愛用できます。特におすすめの素材は、オーガニックコットンやリネンです。

オーガニックコットンは、厳しい基準をクリアした「有機栽培」による綿のことを指します。保湿性・吸湿性・通気性に優れている上、栽培時に化学肥料や農薬が使われていないため、地球に優しいところも魅力。一方のリネンは、コットンの2倍、ウールの4倍もの強度を持つ繊維です。吸水性に優れているので、夏服にぴったりな素材と言えます。

リサイクル繊維やアップサイクルなど、捨てられるはずだった資源を利用したものをライフスタイルに取り入れるのも、スローファッションの1つの取り組みです。

リサイクル繊維は、使用済みの繊維製品やペットボトル、さらにゴミまでが繊維に生まれ変わったもので、洋服などに使用されています。リサイクル繊維を使った洋服は環境に優しいだけでなく、デザインや機能性など、商品としての良さを追求できるのも魅力の1つです。バーバリーやパタゴニアなど、よく耳にする有名ブランドもリサイクル繊維を取り入れています。

そして、アップサイクルとは、原料や資源を再利用するだけではなく、価値の高いものを生み出すことを目的とした取り組みのこと。資源の無駄遣いをせずにゴミの削減ができるので、環境に良いとして注目されています。

少し背伸びして、せっかく良質なものを購入したとしても、トレンド色が強いものや凝ったデザインを選んでしまうと、そのうち着づらくなってしまうことがあります。そのためシャツやニットなど、毎年良い意味で無難に着られるアイテムをチョイスするのがおすすめです。それらのアイテムは、年齢を重ねても着られるので重宝するでしょう。

mi lunaは、一度ジュエリーとして輝いた天然石やパールをアップサイクルし、新しい姿へと生まれ変わらせて販売しているブランドです。このような”循環型”の発想が、スローファッションに共通しています。

“持続可能な” 生産・消費を目指した取り組みを実現したmi lunaは、リング、ピアス、イヤリング、ネックレスなど、シンプルで流行りに惑わされないジュエリーが豊富です。今回は、その中から特におすすめの3点をピックアップしました。

パールは6月の誕生石。以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

環境問題への関心の高まりとともに、手に取りやすい価格帯のブランドもスローファッションに取り組んでいます。良質な服を手に取るだけではなく、環境に優しい行動・考え方を心がけるだけで、今までとは違う自分になれそうですね。皆さんもぜひ、スローファッションを始めてみませんか。